便秘(便がでにくい)
便がでにくいというのは、便秘の症状の一つです。他にも、便が固くて小さい、排便回数が少ない(週に3回未満)、残便感がある、排便の際にいきむ必要があるといったことも、便秘に該当します。これらの症状は、生活習慣の乱れやストレス、加齢など様々な原因によって引き起こされる可能性があります。しかし、中には大腸がんなどの病気が潜んでいることもあるため、注意が必要です。
ここでは、便秘の分類と原因、診断、治療法についてわかりやすくご説明します。
便秘の分類と原因
便秘の原因は多岐にわたります。以下に主な原因と分類をまとめます。
- 狭窄性器質性便秘症・・大腸がんや腸管の炎症による消化管狭窄によって便の通過が物理的に障害されるもの
- 非狭窄性器質性便秘症・・消化管の形態変化や運動障害によるもの。慢性偽性腸閉塞、肛門アカラシアなど。
- 症候性便秘症・・他の病気に伴って起こる便秘。糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病などが原因。
- 薬剤性便秘症・・薬剤が原因で起こる便秘。オピオイド(麻薬)、抗コリン薬、抗うつ薬、抗精神病薬などで起こりやすい。
- 機能性便秘症・・上記の原因を伴わない便秘。
この中でも特に大腸がんなどの器質性便秘症については、検査で除外することが大切になります。
便秘の診断方法
便秘の診断では、まず問診で排便の回数、便の性状(硬さや形)、生活習慣、服薬状況などを詳しく確認します。
続いて、原因を特定するために以下のような検査を行います。
- 血液検査:甲状腺や糖尿病など全身疾患の有無を調べます。
- 便潜血検査:便に血が混じっていないかを確認します。大腸がんの早期発見に役立ちます。
- 大腸内視鏡検査:腸の中を直接観察し、がんや炎症の有無を確認します。
- 画像検査(レントゲンやCT):腸の形や詰まりを調べます。
便秘の治療法
便がでにくく、便が細い場合の処置や治療法は、原因によって異なります。
器質性便秘症、症候性便秘症、薬剤性便秘症では、まずはそれぞれ原因となる疾患の治療や薬剤の中止が必要です。
機能性便秘症に対してはまずは生活習慣の改善を行います。
生活習慣の改善
食生活の改善、適度な運動、十分な睡眠など、生活習慣を見直すことが大切です。
- 食物繊維を積極的に摂取する・・野菜、果物、海藻類、豆類など
- 水分を十分に摂取する・・1日1.5リットルを目安に
- 適度な運動を心がける・・ウォーキング、ジョギング、ストレッチなど
- ストレスを溜め込まない・・趣味やリラックスできる時間を持つ
それでも改善しない便秘に対しては以下のような便秘薬を使用します。
- 浸透圧性下剤・・腸内の水分量を増やして便を柔らかくする。酸化マグネシウム、PEG製剤など。
- 刺激性下剤・・腸を直接刺激して運動を活発にする。センナ、ピコスルファートナトリウムなど。
- 粘膜上皮機能変容薬・・腸の粘膜上皮(腸の内側を覆う細胞)に作用し、水分の分泌を増やして便を柔らかくし、さらに腸の動きも整える効果がある。ルビプロストン、リナクロチドなど。
- 胆汁酸トランスポーター阻害薬・・本来は小腸で再吸収される「胆汁酸」という消化液の成分を再吸収されにくくし、胆汁酸が大腸に多く届くことで腸の動きが活発になり、水分も増えて便が柔らかくなる。エロビキシバットなど。
- 漢方薬・・腸の動きを整えたり、体質を改善させる
便秘の状態に応じて、これらの薬を組み合わせて治療します。
まとめ
便秘は誰にでも起こり得る身近な症状ですが、生活の質を大きく下げることがあります。多くの場合は食事や運動など生活習慣の改善で良くなりますが、長引く便秘は重大な病気のサインである可能性もあります。
ハートフルクリニックでは、丁寧な問診と検査で便秘の原因を調べ、患者さん一人ひとりに合った治療を行っています。便秘でお悩みの方は、自己判断せずにぜひ一度ご相談ください。
